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学習に影響を及ぼす子どもの内に改善しておきたいこと~触覚編~

目次

学習に影響を及ぼす子どもの内に改善しておきたいこと~触覚編~

人は生活するうえでの行動や、運動を獲得していくうえでたくさんのことを学ばないといけません。

しかし近年学習が上手くいかないお子さんが増えてきているのも確かです。

今回はなかなか生活行動や運動が上手くできないお子さんをお持ちの親御さんの方の手助けになればと思い、改善するべきことを感覚の中の触覚にしぼって例を挙げて紹介したいと思います。

先に結論を言ってしまえばスキンシップ大事です!ということです。

 

原子系から識別系へ

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この章では少し難しいお話をします。

人間には原子系(本能的)という生きる上で必要な回路が備わっています。

例えば赤ちゃんの時には手でなにかを掴んだら食べようとする取り込み行動や、

嫌なものから逃げたり、闘争したりする回路が備わっています。

ただ、成長の過程で徐々にこれらの本能的な原子系から認知的な識別系の回路を優位にしていかなければなりません。

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判断する、理解するなどの認知的な識別系を優位にすると本能的な行動が抑制されていくことにつながり、これが人間らしい生活や運動を学習する上で必要な状態となってきます。

原子系が優位になってしまうと

ADHD(コミュニーケーション能力のつまづき)

アスペルガー症候群(注意力のつまずき)

学習障害(思考能力のつまづき)

・発達性協調運動障害(運動能力獲得のつまづき)

など、生活や学習に障害が出てしまいます。

嫌なことから逃げ続けたり、注意力散漫になったり、時には暴れたりしてしまうわけです。

 

子どものうちに改善したい身体の癖①~触覚防衛反応の改善

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今日はその中の触覚防衛反応を紹介します。

人間の感覚には五感や動きの感覚、平衡感覚などがありますが、触覚が原子系優位になると、

・触られることが苦手、不快

・自己刺激行動

・感覚の鈍磨

・共感性、対人関係の発達の阻害

などの触覚防衛反応またはそれに付随する反応が起きてしまいます。

これらは生活や運動の学習を行う上で障害となりうる事項でしょう。

 

触覚防衛反応が強い子の特徴

触覚防衛反応が強い子の特徴として、

・特に頭、首、脇腹、爪や歯といった部分に触られるのが苦手

・子どもなら歯ブラシや爪切りされるのが苦手

・触れる素材に偏りがある

・コミュニケーション能力の欠如

・姿勢が悪くやる気がないように見える

・爪をかむ、髪の毛を抜く

・自分からは触りに行くが触られるのは苦手

 などが言えます。思い当たる節はありますでしょうか?

 

触覚防衛反応を改善するには

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本来これらは親とのスキンシップなどで徐々に原子系から識別系優位にしていかないといけないのですが、この防衛反応が強く出てしまうとなかなか上手くいきません。

これらを改善するための意識や遊びを教えたいと思います。

 

自分で触らせる、意識を向けさせる

人は他人からくすぐられることはあっても自分で自分をくすぐることはできません。

同様に自分で触る、そこに意識を向けるというプロセスを踏めば徐々に触られることにも慣れていきます。

具体的にはお子さんに歯ブラシを持たせてその手を誘導して歯ブラシをするなど、お子さんの手を操りながら触る、触る前にそこの場所を指して子どもの注意を引く、などが言えます。

 

触覚を識別系優位にするための遊び

遊びとしては、皆さんも小さいころ行ったことがあるのではないでしょうか?背中に文字や数字を書いてそれがなにかを答えるというゲームです。

背中に集中させる、なにを書いているのかを考えさせる、その過程で識別系を優位にし、同時に触られることにも慣れさせていくことができます。

年中さんくらいなら数でもいいですし、小学生でできる子ならひらがなや漢字などにしても良いでしょう。

コツは分かるように大きくゆっくり書いていくことです。

また、書く方もどうやったら相手に分かるように書けるかということを意識させると、共感能力やイメージ通りに身体を操作する能力などが育まれるでしょう。

 

筆者のレッスン中の経験談

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筆者はトレーニングやアクロバットやダンスなど様々なことを教えていますが下記のようなケースが良くあります。

触られることやコンタクト系の動作が苦手な子は

・無口だったり、他の人が言っていることに対して反応がない、または薄いことが多い。

・聞いて理解する、話したり質問するといったコミュニケーションが苦手なために学習に障害が起こる。

・自分の世界に入ってしまい視野が狭くなりやすい。

・補助の際に過剰な反応が起こるので滑らかな動作の獲得に支障が出る。

・肌に対してとても強い原子的な反射が残っていると、シャツが肌に触れる刺激だけでも身体が反応してしまうため、常に落ち着きがない、じっとしてられず、結果集中力が落ち先生の話を聞けない、理解できない。

他人と一緒に作業するのが苦手

など学習を阻害してしまっているケースが良くあります。

これらは適切な運動を通じて改善していきますが、上手く順番を考えて指導しないと運動ができなかったり、人とのコミュニケーションが面倒くさくなってその場に来ること自体が嫌になってしまうこともあります。

自分も知識を知る前はこれらの子にその都度話したり怒ったりした時もあるのですが、触覚防衛反応が起きているからこうなっているということを理解すると子どもに対する理解や行動も良い方向に変わり、対応が少しづつできるようになってくるのではないでしょうか?

 

 

最終的には親とのスキンシップが重要

ここまで書いてきましたが、とはいえレッスンで行うには限界があります。

そこで親御さんにお願いしたいのは、月並みな内容ではありますが上記のことに注意をしながらお子さんとのコミュニケーションやスキンシップの時間を継続的にとっていただきたいということです。

このような効果があると知った上で行うとより効果も高まりますしね。

常には無理かもしれませんが、気づいた時には抱きしめてあげたり、手をつないであげたりしてあげてくださいね。

 

 

 

体が動きたくなるような楽しい人生を。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

LaughStyle 西村

 

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