アクトバットで怪我をしやすい人の特徴と対処法~肘編~
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アクトバットで怪我をしやすい人の特徴と対処法~肘編~
筆者は元々体操競技の選手で小学生から大学生までばりばり体操をやってた人種ですが、その経験を活かして今は体操やアクロバットなどを指導しています。
その経験上怪我をしやすい人をたくさん見てきましたので、今日はその特徴と対処法まで載せましたので、アクロバットや手を着く動きで怪我をしやすい人はチェックしてみてください。
肘の過伸展、外反肘はケガをしやすい
今日はケガをする特徴の一つとして肘の過伸展、外反肘を挙げたいと思います。
伸展とは肘を伸ばす動きです。
肘を最大限伸ばしても通常はほぼまっすぐ(厳密にはちょっとだけ曲がっている状態(約5°))なのですが、過伸展はまっすぐ以上に過度に伸びてしまう状態です。
ちょうどこんな感じですね。
見ていてちょっと怖いです。
ちなみに外反肘は腕を伸ばした時に肘から先が親指側に曲がっている状態のことを指します。
掌を上に向けて腕同士を伸ばした状態でくっつけた時に肘同士がつく人は外反肘であり通常の可動範囲を超えています。
これらの特徴も持つ人はアクロバットをする上で怪我しやすいと言えるでしょう。
柔らかすぎる関節は安定性を欠く
体操は技によっては身体が柔らかい方が有利です。
中国雑技団などのブリッジを見てるともうなにがなんだか分からないですよね・・・
ですので過伸展の人は全体的に身体が柔らかい傾向があり、ブリッジ系の動きはすぐ習得したりする人もいます。
ですが、有利であることと怪我をしないことは必ずしも一致しません。
むしろ柔らかすぎる関節はケガのもとになるのです。
ここで少し難しい話ですが、関節の安定する要素として
・関節周辺の靭帯や関節包による安定性
・関節周辺の筋肉による安定性
・神経系による動きのコントロールによる安定性
が挙げられます。
イメージとしては下記の図のような感じです。
しかし、関節の靭帯など安定させる組織が弱い人は
安定させる要素が一つ弱くなっているため、関節の不安定性が増し、結果ケガにつながってしまいます。
しかし新体操、体操、バレエなどあきらかに通常の関節の可動域を超えているのに怪我しない人もいますよね?
そういう人は
このように筋機能と神経系の機能を高めて安定させているのです。
日々の鍛錬で身体と動きが磨かれているから怪我をしないわけです。
関節の可動域が通常よりある、つまり過伸展など靭帯による安定性が弱い人は、筋を鍛えかつ運動が合理的であるようにコントロールできることが必要であるということですね。
ですので、新体操を引退した選手はケガや慢性痛に悩まされると良く聞きます。
新体操選手は美しさのため過伸展気味の方が良いとされるので、選手達は靭帯が緩い場合が多く引退した後に筋力と動きの機能が落ち、結果上記の三角の面積が少なくなりケガをしやすくなるのでしょう。
どういう時に怪我をするか
ゆっくりと倒立したりブリッジしたりなどの動きはまだ良いのですが、勢いよく着手する技は気を付けないといけません。
まず前腕と上腕が重力線上に揃わないので、肘が過伸展の人は肘外側に圧縮する力が加わり関節が傷みやすく、くぼんでいる肘窩の方には牽引力が加わります。
特に外反肘の人は肘の小指側の内側上顆という部位が痛くなる傾向にあります。
例えばハンドスプリングという走ってから前方に勢いよく倒立を経過してそのまま立つという技の時に、過伸展のまま着くことによって肘頭を痛めたり付随して手首や肩を痛めたりします。
またマカコという後方に手を着いて回る技
の時に肘が過伸展のままついて練習するとこれまた肘頭や内側上顆、手首、肩を痛めることにつながります。
バック転など手を勢いよく着く技は基本怪我につながると思っておいた方が良いでしょう。
怪我を防ぐには
肘を少し曲げる
支えるだけの筋力をつけるというのももちろん必要ですが、
簡単な方法としては肘を少しだけ曲げると良いです。
といっても過伸展の人が前腕と上腕がまっすぐになるように曲げるイメージが大事です。
また過伸展の子は肘が伸びた状態でロックされがちなので、意外と肘を曲げる感覚が分からない子もいます。
そういう子どもたちには1%だけアイーンしてと伝えています笑
そのまっすぐな状態で手を着くように心がけましょう。
体をほぐす
また、外反肘で組織の固さが原因の人は練習外の時間で肘の親指側(外側上顆辺り)をほぐしたり脇の辺りや奥の方(前鋸筋、肩甲下筋など)をストレッチポールなどでほぐすと良いでしょう。ここをほぐすと手首の固さもとれたりして逆立ちがやりやすくなったりします。
そもそも脇の辺りの筋肉が硬くなると肩関節も安定しずらい姿勢に入ってしまうのでほぐすに越したことはないです。
小指側に力を入れる
また力の入れ方としては掌の小指側に力をいれましょう。ちょうどチョップをするかのように力を入れてから掌を着くと肘が安定しやすくなります。
受け身の時も小指側から入ると言われてますので関節を安定させるには大事な力の入れ方です。
以上アクロバットで怪我をしやすい人の特徴~肘編~でした。
ぜひ皆さん怪我をしないように上記のことを意識しながら練習をしてみてください。
体が動きたくなるような楽しい人生を。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
LaughStyle 西村
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