学習に影響を及ぼす子どもの内に改善しておきたいこと~体の動きの感覚編~
目次
学習に影響を及ぼす子どもの内に改善しておきたいこと~体の動きの感覚編~
以前書いたblogにて、親子でのスキンシップをしっかり行って、触覚という感覚を原子系から識別系の回路を優位にして、お子さんが触られることに慣れたりコミュニーケーション能力や共感性が低いままにならないようにしましょうというお話をしました。
原子系とか触覚系の機能に関しての内容はこちらのblogをどうぞ。
studio-laughstyle.hatenablog.com
今日はからだの動きの感覚「固有受容覚」に関してお子さんの内に改善しておきたいことを書いていきたいと思います。
固有受容覚とは
固有受容覚とは簡単に言うと関節の曲げ伸ばしや筋肉の動きの感覚です。
この感覚のおかげで手先から頭、足裏まで無意識に自分の身体の位置を脳が把握します。
「私という存在に気付き、どこにいるか」ということを教えてくれる感覚とも言えるでしょう。
五感に対して固有受容覚は自覚しにくい
感覚には視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感があり、「どこで感じているか」「いつ使っているか」「どのように使っているか」が分かりやすく、これらは自覚しやすい感覚となっています。
しかし固有受容覚は、使えているかどうか感じるのがなかなか難しい感覚と言えるでしょう。
この無意識状態の感覚をしっかり使えていないと、身体の土台が形成されにくくなり、学習において支障が出てきます。
子どものうちに改善したい身体の癖~固有受容覚の改善
今日はその中の固有受容覚の改善について紹介します。
固有受容覚の感覚が弱く低反応になると、自分という存在が希薄になるため、
・自己刺激行動
・物に身体をぶつけやすくなる
・動作が乱雑になる
・まねっこが苦手
などの反応またはそれに付随する反応が起きてしまいます。
これらは生活や運動の学習を行う上で障害となりうる事項でしょう。
固有受容覚の低反応の特徴
身体の関節や筋肉の情報が分からなくなるとどういった特徴が表れるでしょう?
・コタツなどに脚を入れると脚が消えたような感覚になる
・まねっこが苦手、総じて運動の習得が苦手
・課題となる運動や姿勢の指示を体現できない
・自分という存在を感じられるように常に動く、多動気味になる
・動作が乱雑なのでこどもなど上手くコップに水を注げない
固有受容覚を鍛えるには
これらも触覚系と同様親子でのスキンシップや、遊具での遊び、物を使うお手伝いなどで培われていきます。
また大人などは筋肉や靭帯などの軟部組織が固まっているとその部分の固有受容覚を感じる固有受容器の働きが悪くなると言われています。
ですので体のケアをしっかりしていない人は一般的に固有受容覚が感じられにくくなります。自分の身体のイメージが曖昧なまま無理な使い方をしてしまう、ケガをよくする人に多いパターンですね。
やはりスキンシップ
親子でできるスキンシップ系の遊びだと、ストレッチ遊びなどをするのも良いでしょう。
寝ているお子さんの脚を持って上下に動かしたり、手を持って開いたり閉じたり。
お子さんが脚が動いた!ということを感じさせられるように行ってみてください。
肌のマッサージなども併せて行うと触覚系も刺激できて一石二鳥ですね。
物に対して身体を動かす
自分の身体のイメージを鍛えるため、またぐ、くぐる、よじ登るなど、様々な固定された物に対してどう動くか、という運動課題を与えましょう。
基本的な公園での遊びですね。
慣れてきたら刺激が少なくなるので、横や後ろに移動してみたり、幅を変えてみたりして少しづつ変化を与えてみましょう。
公園のジャングルジムなんかはこれらを鍛える良い遊具ですね。
トンネルくぐりや、一列になってボールをいろんなポーズで渡すボール送りなんかも良いでしょう。
動物まねっこをさせてみる
アクロバットのレッスンでも良く行うのが手を着きながらの動物を模した移動。
ここでは簡単に書きますが、手と足で交互に歩くくまさん、脚を開いて両手、両足の順に移動するかえるさん、横向きに移動するおさるさんなど、様々な動物に似た移動の仕方をすることによってまねることを覚えたり、体の色々な部位を刺激してあげます。
分からなかったらとりあえずハイハイを前後にしてあげると良いですよ。
お手伝い
雑巾絞りや雑巾がけなどはもう今の学校などではあまりやらせてないところもあるかもしれませんが、これらは固有受容覚を鍛える立派なトレーニング。
力を調節して雑巾をしぼったり、机の下を雑巾がけしたりすると、固有受容覚や身体のバランスを司る機能も向上していきます。
ちなみに雑巾がけには、原子反射の中の対称性緊張性反射を消失させる効果もあります。
今回は詳細は省きますが、この原子反射が残ると姿勢が悪くなったり、手と眼の協調運動に悪い影響が出てきます。
お掃除も手伝える子にぜひ育てたいですね。
特に大人の方は身体のケア
身体の組織が固まっていると感覚が鈍るということなので単純にストレッチポールなどで身体をほぐす癖をつけましょう。
ちなみに2分も3分も同じ場所をほぐしていると逆に固まりやすくなるので、一か所につき30秒程度までが良いでしょう。
お子さんもそうですが、大人の凝っている方は特に意識して行いましょう。
筆者のレッスン中の経験談
筆者はトレーニングやアクロバットやダンスなど様々なことを教えていますが下記のようなケースが良くあります。
固有受容覚が上手く機能していない子は
・基本運動が苦手
・まねが苦手なので、簡単な動きでも先生がお手本を何回見せても全くできない、やろうとしない。
・レッスン中に他の子にけしかける
・危ない動き方が好き(脚から降りるべきところをわざと体から落ちたりする)
・ペアでの動きが乱雑で相手に嫌がられトレーニングが上手くできない
・スピードを出して動くのが好きだが、コントロールできない。
・お手伝いが苦手
どう接するべきか
基本的に言われたことを一人ではなかなか体現できないので、始めは丁寧に補助をしながら教えたり、運動をパーツに分けて丁寧に練習をさせることを心掛けると良いでしょう。
クラスで感覚が弱い子の比率が多い場合は、上記の遊び系の内容を始めは多く取り入れた方がモチベーション的にも身体的にも良いでしょう。
子どもはたくさん遊べ
ここまで書いてきましたが、とはいえやはりレッスンで行うには限界があります。
ぜひ近所の公園や遊具のある場所に行ってたくさん運動してきましょう!
僕も良く公園で遊びますよ笑
大人の方も様々なスポーツに触れてしっかりと身体のケアをするのを忘れずに!
体が動きたくなるような楽しい人生を。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
LaughStyle 西村
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